[第一回] 指数の不思議に迫る

指数とは

指数とは中学数学で習う、数学の基本的な演算の一つである。

基本的な三次関数

中学生では二次関数の特殊な場合のみ扱うが、高校数学では一般二次関数と三次関数について扱うのはよく知られている。

今回は別に中学数学の復習をしようというわけではない。指数には中学や高校では教えてくれない面白い性質があるというのを紹介しようというわけである。

ただ、筆者は数学の専門家ではないので細部で説明が不足したり誤った論理で証明をおこなっている可能性があります。その時はこっそりコメントで教えて下さい。

どっちが大きい

今回扱うのは中学生でもわかるような内容である。

ズバリ、以下の二つの式はどちらが大きいかという問題である。

一方が常に大きいかもしれないし、xとyの値によってはどちらが大きいかが変わるかもしれません。そして、変わるのであればどのタイミングで変わるのかなども知りたいわけです。

中学生までなら以下のように小さい数を次々に代入して確かめてみるのも一つの手ですね。

x22222
y12345
x^y2481632
y^x1491625
解の種類>自明<非自明>

常にどちらが大きい、というわけではなさそう?

比較的小さい数で値が同じになるケースがでてきました。値が等しくなるxとyのペアのことをここでは解と呼ぶことにします。

当たり前ですがx=yのときは常に等しくなります。これを、自明な解と呼ぶことにしましょう。上の表でいうところのx=y=2であるのは自明な解となります。

我々が探したいのはx=2, y=4のような非自明な解です。これを見つけることで、あの二つの式がどちらが大きいのかのヒントを見つけることができるかもしれません。

Varnerによる功績

先程のケースを解析するに当たって、yの値を固定してまずは考えてみましょう。

ここでは仮にその値を自然対数の底であるeとします。

すると上のような関係性が考えられますが、どういう場合に右辺が大きくて、どういう場合に左辺が大きくなるでしょうか?

実はなんとyの値をxとした場合はxが0以上であれば常に左辺が右辺よりも大きくなることが知られています。

その証明があるらしいのですが見つからなかったので自己流で証明します。細かいところでミスしてるかもだけど、大筋は正しいはずです。

間違ってたらほんますまん。

常に大きいことを示せばいいので差をとって微分するのが手っ取り早いです。大学入試でもよくこういう問題でてきますよね。

さて、これをみると導関数が0になるのはx=eのときであるのがすぐに分かります。

いや、でもこれまだ停留点の一つがx=eってわかっただけで、他にもあるかもしれないよね…

実はあと一つ停留点があるので探してみよう。

導関数が0になるのはこの二つの項の積が0になるときのみです。

実数体においては積が0になるなら必ず一方が零元でないといけないので、eかこのカッコ内の式が0になる必要があります。

カッコ内の式はもとの式とほとんど形が変わらないので他の停留点はなさそうですが…

x=1のときに特殊な形になって0になるのだ。

導関数のグラフ

予想通りx=1, eの二つの点で導関数が0になっていることがわかりますね。

解析には必要ないですが欲しい方のために、第二次導関数のグラフも載せておきます。

いや、これほんとめんどくさいんですって…

第二次導関数のグラフ
x01e
f(x)1e-10
f'(x)1+00+

この表からもとの式のグラフが二回変化することがわかります。つまり、変曲点は二つです。

一つはx=1で、もう一つはx=eですね。

ちなみに、実際の式のグラフは以下のようになります。

xがeより大きくなると導関数は常に正となり変化しないので単純にどんどん大きくなり続けるだけのグラフになります。

つまり、これより先は考えなくてもいいということですね。

さて、このときx=eが極値(これは第二次導関数を考えないとわからないが)で0でかつ最小値であることがわかります。

よって、e^x-x^eを計算すると常に0以上ということですね。

常に0以上ということは左辺のほうが常に大きいので、

が成立するということですね。

プロットしてみる

せっかくなのでどんなグラフになるのかプロットしてみることにしました。

プロットしてみた

さて、等しくなる点をプロットしてみたところx=yである自明な直線とは別にもう一つ不思議な曲線がでてきました。

どうもある値に漸近しているようなので、x^y=y^xを満たすようなxとyの組み合わせはxをどんどん大きくするとyがだんだん小さくなっていってある値に収束するようです。

曲線と直線の交点は自明な解であるx=yと非自明な解の交点なのでx=y=eであるような点ですね。

つまり、基本的にはxの値に対して自明な(xと等しい)yと非自明な(xが大きければ小さく、小さければ大きい)yが存在するっていうことだね。

ただしさっき証明したように、どちらかがeの場合は非自明な解は存在しないんよ。

また、どれだけ大きいxに対しても実数解yが存在しそうですがある値よりも小さいyに対してはxをどれだけ大きくしても足りないような場合が存在しそうです。

つまり、上の式を満たすような非自明なxが存在しない可能性があるということですね。

まとめ

Webでみつけた問題から発展させた内容でしたが、調べてみるとなかなかおもしろくて結構長々と書いてしまいました。

難易度的には高校数学程度な気がするのですが、どうなのでしょう?

次回は、非自明な解が本当に存在しないのか、するとすればどんな値か?存在しないなら如何なるyから非自明な解がないのか?などをまとめようと思います。

あと、海外の論文を読んで(多分)理解して書いている感じなのでぼくが見つけた成果ではまったくないのでご注意ください!!

最後になりましたが、ぼくが小学生の時に死ぬほどお世話になった参考書をご紹介しておきます。